鴉
人間十字架
出典:百式EA辞典 WEB
人間十字架(にんげんじゅうじか)は'20年代からインターネット上で流布している怪談である。
概要
都心のあるマンションの一室にずっと電気が点いたままの部屋があった。しかもその部屋の窓からは、住人らしき棒立ちになった人影が四六時中同じ場所に見えたという。
マンションの向かいに住むアパートの住人は、人影が時折少しずつ動くので特段気にすることはなかった。
数週間経ったある日、ふと例の窓を見ると人影が十字架のように両腕を広げた状態で止まっていた。さらに、締まり切ったカーテンに赤いシミが広がっており、向かいの住人が嫌な予感を覚え警察に通報したところ、部屋の中には死後1ヶ月以上経過した不自然に腕が上げられた首吊り死体があったという。
なお、発見された遺体の人物は一人暮らしで、死後部屋に何者かが侵入した形跡もなかった。このことから、向かいに住む住人の証言が事実であれば、死体が勝手に動き、自ら腕を上げ、しばらくの間静止した、ということになる。
後日談
「遺体で発見された人物は熱心な真那(まな)教徒であった」から始まる、以下のような後日談が続く場合がある。
- ワイヤー説
- 神の導き説
遺体で発見された人物は熱心な真那教徒であった。死ぬときに十字の形を自らの体で模すと “神” と一体になれる、という教えを信じ、事切れるであろう時間にタイミングよく腕が上がるよう設定されたリール式ワイヤーを腕に巻き付けていた。
それが何かに引っかかり、死体をゆらゆら蠢かせ、1ヶ月後になって引っかかっていた部分が外れ、腕が上まで上げられた。
遺体で発見された人物は熱心な真那教徒であった。そのため、聖典『啓示録』の一説の通り、神の導きで “神” と一体となり天に召された。不自然に腕の関節が歪められ、十字架の状態を留められるよう仕込まれた死体は “神” が導きを与えた証である。